2022.12.22
おススメの過ごし方
ザ・チェルシーブレス おすすめ旅vo.3【春のシニア旅】
ザ・チェルシーブレスにご宿泊いただくお客様に、心に残る旅の思い出をお持ち帰りいただきたいという想いで、ストーリー仕立てでおすすめの観光スポットを紹介してまいります。第三弾は、香川の歴史ある庭園や蔵を巡る「シニア旅」です。ご旅行の参考にしていただけると幸いです。
春だ。隆はまず桜を思った。明治の終わりに発行された高等小学読本に、日本三名園よりも木や石に風雅な趣があると記されている香川県の栗林公園を旅の起点とする。園内をゆっくり散策しても1時間余り。二人で語らうにも静かな環境はうってつけだ。
次に訪れたのは、寛政2年から続く「綾菊酒造」さんの酒蔵めぐり。その土地に来れば、その土地の酒をいただく。これが隆の旅の流儀の一つでもある。
地元綾川の米と水を天の恵みとして、地元の人達と五穀豊穣を祈り、喜びをわかち合いながら酒造りに励んでこられた「綾菊酒造」さんは、隆がずっと気になっていた酒蔵だ。
初めに蔵の歴史と酒造りについての説明を聞き、いよいよ蔵と工場の見学に出発。
今回試飲したのは、国重名誉杜氏の「自分の好きな酒を造る。納得のいく酒を造りたい。」というこだわりが詰まった「国重(くにしげ)」と、その技術や想いを受け継いだ宮家杜氏が作った、今までにないオリーブ酵母を使った「さぬきオリーブ純米酒」だ。
旅行から帰ったら二人で晩酌をしようと、一緒に何本かチョイスした。
向かった先は、明治29年に醸造をスタートした「広瀬醤油」さん。
醤油づくりの工程や醸造方法、その歴史、こだわりなど説明をいただきながら、工場を見学。
昔ながらの製法で手作業にこだわり続けて、約120年の歴史がある「広瀬醤油」さん。 自然発酵に重要な役割をはたす麹菌が、百年の時を刻み、まろやかなおいしさを育むらしい。今日泊まるホテルでも「広瀬醤油」さんの醤油を使っていると聞き、ディナーがさらに楽しみになった。
そしてその場で醤油を購入。
お風呂上りには隣接されたヒーリングラウンジで、生ビールを飲みながら涼めるのもありがたい。
湯上がりに館内の庭園を散策。そこには、平安時代の貴族、学者、漢詩人、政治家であった菅原道真公を祀った祠が鎮座していた。来年受験を控えた友人の子供に、お守りを買って帰ろうと隆は思った。
讃岐平野や瀬戸内海の景色、そしてあたたかなおもてなしなど、この旅で感じたことは1000年以上も前に道真公も感じていたことかもしれない。隆はそう思うと、今日の出来事がいっそう色鮮やかに思い出された。
デザートと一緒に、ドライフラワーの花束がやってきた。隆が事前にスタッフにお願いしていた妻へのサプライズだ。「これから二人だけの生活が始まるけれど、新婚の時を思い出してこれからもよろしく。」この旅の目的が果たせたような充足感に満ちた表情で、隆は妻を見つめた。
■栗林公園https://www.my-kagawa.jp/ritsuringarden
■綾菊酒造https://www.ayakiku.com/
■広瀬醬油http://www.hirose-soy.com/
※掲載の写真は、綾菊酒造株式会社様、広瀬醤油株式会社様に許可をいただいて撮影・掲載しているものですので、無断転用・使用はできません。
※綾菊酒造株式会社様、広瀬醤油株式会社様の蔵見学は、事前予約制です。ホテルではご予約を承っておりませんので、各施設へ直接ご予約をお願いします。
※各施設に関しては、営業日等をよくご確認の上、ご訪問ください。
※掲載内容はフィクションで、写真はイメージです。